名古屋の中心地である栄の街から電車に揺られ15分、さらにその駅から徒歩10分ほどの所にDhalのショップはありました。
幹線道路沿いを歩きながら、本当に道順はあってるのか?と不安がよぎるような場所に、
周りに溶け込みながらも外からも良い雰囲気が感じ取れる店が現れました。
Dhalの店内は洗練されているのですが、明るく、親しみやすさもあります。
皮肉ではなく「家具に精通した友人の部屋」のような空間だと思いました。
店内で使われているおそらくオリジナルだと思われる什器はとても素敵でしたし、
照明やスピーカー、配置されたオブジェはコレクター垂涎のアートピース的なものもありました。
それらによって程よい緊張感も感じられ、僅かに背筋が伸びる感覚もあり、
ただ居心地が良いだけで無く「良い服を買い物に来ている」という感覚もしっかりと残るような。
お店としてとても雰囲気が良かったです。
店内では同年代のスタッフの方とファッション話が盛り上がり、
何かしらの小物だけを買って帰るつもりだったのが、気づいたらジャケットを購入していました。
お陰様で叔父との別れでポッカリと空いていた心の隙間を少しは埋めることができ、東京に帰ったのでした。
僕は気に入った服はすぐに着たい主義ですし、特に気に入ると月の半分を同じ服を中心にしたコーディネートをすることもあります。
買ってから少しして気温が下がると、大袈裟でなく、気づけば連日そのジャケットを着ていました。
昨今「経年変化」という言葉が商売上の売り文句となってしまっている事は個人的には少し由々しきことではありますが、
Dhalの服は長年着用でき、自分の特別な1着に育てる事ができる服だと思いました。
それは単純に縫製など服の強度が十分であることも勿論ですし、
その塩梅の良いデザインを着こなしに取り入れるとき、流行り廃りに干渉されにくいということです。
そしてそのジャケットに使用されている「ヴィンテージツイル」と冠された生地は、
新品だと程よく張りがあるものが着込むことにより柔らかくなり、シワも増えていく。
成長していき、着ている者の生活を反映していくような感覚がありました。
連日着用するうちに変化していく質感が、自分のパーソナルな部分にどんどんと近づいてくるのを感じ、
日に日に愛着が生まれ、気がつくとまさに自分にとっての特別な1着となっていきました。
まさにその名に違わず、未来にヴィンテージになりうる生地だと思えました。
そしてこんな素敵な服を当店のお客様にも提供したい!と、居ても立っても居られなくなり、お取り扱いのオファーをするに至りました。
そんなDhalの素晴らしいアイテム達を数型ではありますが、店頭でご覧いただけます。
今季はトートバッグ、ベルト、ベスト、ワークパンツ、ポリエステルのセットアップを当店はセレクトしております。
特に一押しはブランドオリジナルのポリエステル生地のセットアップ。
その素晴らしい質感をぜひお手にとって感じて頂きたいです。